国交省がタクシーサブスクリプションや相乗りサービスを今夏に解禁と発表

国交省がタクシーサブスクリプションや相乗りサービスを今夏に解禁と発表

昨今、あらゆる業種業態でサブスクリプションサービス・シェアサービスが広がっています。
この波はタクシー業界にも遅かれ早かれ来ると思っておりましたが、国土交通省は
3月31日、タクシーの乗り放題サービスや、相乗りサービス(ライドシェア)を実現するため、
パブリックコメントを募集すると発表しました。

高齢化と人口減に悩むタクシー業界では移動手段として公共交通に対する
需要が変化しているにも関わらず、供給側がその変化に追いついていない状況であります。

では2つのサービスの概要について見ていきましょう。

タクシーの乗り放題サービス

街中を走るタクシー

閑散時等の需要喚起を目的に、あらかじめ利用回数の上限、利用時間帯の制限、
適用地点やエリア、期限などの条件を設定した上で、条件に応じた価格を設定して定額で
複数回タクシーを利用できるサブスクリプションサービスとして「一括定額運賃」を導入する。

一括定額運賃では複数の適用地点またはエリアの間で行われる反復・継続的な
運送需要に対して設定できる。利用者の運送需要に対して実働車両数が
不足することがないように一定期間あたりの販売数には上限設定が必要とする。

運賃は、運送需要、条件を踏まえて、距離制運賃(割増及び遠距離割引を含む)に基づいて
過去の実績を参考に平均的な額を算出するものとする。乗り放題については、損失が
発生した場合の地方公共団体など、第三者による補填が保証される場合や、
実証実験の結果によって損失がないまたは軽微であることが立証される場合に認める。

需給のひっ迫で運送需要に対して円滑な配車が困難であると見込まれる地域や時間帯は、
一括定額運賃は適用できない。

また、需要に応じて料金を設定する「変動迎車料金」についても導入する。
1回ごとの上限額は初乗運賃額または認可済みの定額の迎車回送料金を基準額とし、
そのうち低額な額の3倍増を加えた額までとすることとし、定額の場合の金額よりも
高額となる場合には、配車対象となる車両の範囲を拡げるなどにより、
配車能力を高めることとする。

金額設定は、過去の実績を参考として基準額による想定料金収入の総額と
申請料金収入の総額は一致するよう金額を設定するものとし、
定期的に収支の状況を地方運輸局長に報告することとする。

タクシーの相乗りサービス

タクシーを利用する人の画像

タクシー相乗りも導入する。運賃は距離制運賃(時間距離併用制運賃を含む)を原則とし、
各旅客間の費用負担額は、運送者または配車アプリ事業者のとりまとめによる乗車距離に
応じた分を基本とするが、座席指定の対価など合理的な範囲で比率が増減することは認める。

相乗り運賃を事前確定運賃とし、旅客の負担額を乗車前に明示する場合、タクシー業者は
事前に認可を受けることで、最大2割まで運賃割増を適用することができる。

一方、タクシー事業者やマッチングを行う配車アプリ事業者は、異性同士の旅客の
同乗を各旅客が許容するかなどをあらかじめ確認することが望ましいとしている。

乗降車地がそれぞれの旅客ごと異なるケースでは、相乗りのマッチング事業者が
運送ルートや乗降車地を設定しようとする利用者に、他の旅客に自宅や勤務先などの
所在地を知られるプライバシーのリスクがあることを利用者に注意喚起することも求めている

外を走るタクシー

4月30日までパブリックコメントを実施した上で、今夏を目処に施行する予定です。
実際に実現するまでには多くの課題がありますが、乗客の利便性が進むことは
業界の活性化にも繋がるので今後の動向に注視していきたいと思います。