タクシー会社の社員寮事情
タクシー会社の社員寮事情
タクシードライバーという職業の魅力の一つに、寮に住み込みで働ける、というのがよく挙げられます。
地方から出てきて就職することが多いタクシードライバー。
どの業種でもそうですが、知らない土地で働く場合、自分で家を探すのは時間とお金が掛かり大変です。
その様な方には寮完備のタクシー会社であればその必要がなく安心です。
地方の方は寮がオススメ
タクシー会社によって異なりますが、寮に住むメリットをいくつかご紹介します。
1つ目に、生活に必要な設備が揃っているので即入居ができるという点です。
電気製品やカーテンなど生活に必要な設備が整っている場合が多いのが特徴です。
初期費用を抑えることができます。
2つ目に、タクシー会社と寮の距離が近く通勤に便利な点です。
出勤前はゆっくりと休むことができますし、仕事後にすぐに家に帰って休むこともできます。
寄り道が減るので、お金の無駄遣いも減ります。
3つ目に、家賃が安い点です。
引っ越し費用をタクシー会社が負担してくれる場合や、水道費光熱費を負担してくれる場合もあります。
生活に必要な設備が整っているため、初期費用も抑えられます。
寮と一言で言っても、様々な種類があります。
1人部屋が多いですが、家族で住める部屋を用意している寮もあります。
反対に、仲間とのコミュニケーションを取りたい場合は共同寮もあります。
タクシードライバーは1人で乗務する仕事なので、仕事が終わってから職場の仲間と
作戦会議をしたり雑談をしたりするのが楽しいという話を寮に住んでいる方から聞いたこともあります。
メリットが多く感じられる寮ですが、どの地域にも寮があるタクシー会社があるわけではありません。
寮があるタクシー会社は大都市が多い
以前、私がタクシードライバー専門の職業紹介コンサルタントをやっていた際の話ですが、
地方の方がタクシードライバーへの転職を検討する際に、近場の都市圏で寮を希望される方が多くいらっしゃいました。
残念ながら、いわゆる地方都市レベルだと寮があるタクシー会社がなかなか見つかりませんでした。
後日、タクシー会社の経営者の方に聞いたのですが
理由としてはタクシー会社が寮を維持するにはお金がかかるということ。
そして、その運営を維持できるほどの売上を維持できる地域は大都市圏になってしまい、
それ以外の地域では運営がなかなかに厳しいそうです。
タクシードライバーの方からしても最初は不安かもしれませんが、
稼げる地域で働くことができるので、結果的に問題ないようです。
せっかく地方から出てきたのですから、稼げるほうがいいですよね。
しかしながら、近年は大都市圏でも寮を閉鎖する会社も増えてきました。
寮のあるタクシー会社は少なくなっている
地方から働くには魅力的な寮ですが、残念ながら減少傾向にあります。
理由としてはタクシー会社の事情や就職するドライバーの方たちの変化など様々です。
タクシー会社としては寮が、高度経済成長期に建てられたもので老朽化が進んでしまった、
またはバブル期に建設されたため維持管理コストがかさむなどしてきたため、
コスト削減の観点から売却に至るといったこともあります。
また、タクシードライバーの方たちの変化もあります。
タクシードライバーが高齢化していて寮を希望されない場合や、
人間関係が煩わしい、プライバシーがないといった理由で、
寮があってもあえて入居しない人が増えているなど、従業員意識の変化があります。
地方の方に向けた新しい対策
寮が少なくなっているタクシー業界ですが、地方からの就職希望者を増やしていきたいという事情もあります。
都内のグループ企業では、地方から出てきた方への生活支援金として
上京してきた当日に現金支給してもらえる制度などがあります。
また、アパートの借り上げ社宅制度を取り入れている企業や
シェアハウスという形で地方から出てきた方の受け入れをしている企業もあります。
インターネットが普及してきて、気軽に情報が手に入るようになったものの
寮がないからと言って諦めずに調べてみるのがいいかもしれません。