ライドシェアが広がることでの社会への影響

ライドシェアが広がることでの社会への影響

配車アプリ、使ったことありますか?
日本ではJapantaxi、DiDi、S.ride、MOVが有名ですね。
※JapantaxiとMOVは4月1日より事業統合

https://japantaxi.co.jp/news/pr/2020/02/04/0127/

キャッシュレス決済ができたり、タクシー会社が選べたり、
電話せずともタクシーが呼べるので、スマホ世代を中心に利用が伸びているようです。

配車アプリは、海外のUberという配車アプリが有名になったことがきっかけとなり、
世界中で広まりました。日本では配車より、UberEatsの方が聞きなじみのある方が多いでしょうか。

海外の場合Uberといえば、まず「スマホ配車」を思い浮かべる人の方が多いでしょう。
ただ、配車は日本でいうタクシー配車アプリとは少し仕組みが違います。

配車について

タクシーミニカーの画像

Uberは2009年に創業し、2010年にはスマホ配車システムの提供を開始しました。
しかし、タクシーの配車ではなく、自家用車を持っている一般のドライバーを配車する仕組みで、
一般ドライバーがタクシードライバーのように収入を得ることができるビジネスを提供しました。

料金もタクシーより割安で、車に乗るユーザーにとってもメリットがあるサービスとなりました。
世界ではこれをライドシェアサービスと呼び、Uber以外にもLyft等、同じようなサービスが増えていきました。

ライドシェアは副収入を求める人、もっと安く移動したい人の需要をマッチングさせ急速に社会へ浸透していきました。
しかし、同業者が増えたことでアメリカのタクシーは仕事が減少していきました。

アメリカのサンフランシスコでは、そのエリアで最大のタクシー会社が倒産するほど影響し、
今でもタクシードライバーは苦境に立たされています。

Uberは日本にも上陸しましたが、日本でライドシェアは「白タク行為」とみなされ、法律で禁止されています。
そのためライドシェアとしては営業できませんが、その代わりタクシーを配車するサービスを開始しました。
タクシー業界はこれに猛反発。対抗する形でタクシー配車アプリを自社で作り提供したり、
Uberではない配車アプリを選択していきました。その結果、日本ではタクシーの配車アプリが浸透していきました。

ライドシェアの普及による影響

外を走るタクシー

さて、アメリアではライドシェアが増えた結果、ある問題が起こっています。
それは、交通事故での死者数の増加と都市部の渋滞です。

【交通事故】

都市部では車が溢れかえり、頻繁に車に乗るドライバーから頻繁に乗らないドライバーまで、
様々な人が運転するようになりました。普段行かない道を指示されることもあるでしょう。
ドライバー側にはウーバーアプリから行先までのマップは出ていますが、知らない道、
スマホのマップを見ながらの都市部での運転、うまく出来る人ばかりではないと容易に想像がつきます。

実際に、アメリカの交通事故は増えています。配車サービスが大人気となる前の2011年、
アメリカの交通事故死者数は3万2479人に減少、1949年以降で最低の数字となりました。
(NHTSA:アメリカ運輸省道路交通安全局のデータを参照)

【渋滞】

米CRAIN’S NEW YORK BUSINESSなどは、ライドシェアを利用する人のうち約6割は、
以前は公共交通機関や自転車を利用していたとの見方があると報じています。

都市部の交通量は増え、ニューヨーク市のマンハッタンの一部地域では配車サービスの
車が走る場合は手数料を支払わなければならなくなりました。

それもそのはずです。ニューヨーク市内のタクシー台数は1万3000台前後ですが、
ライドシェアの登録車両は10万台以上と過剰供給状態になっており、
渋滞発生の大きな原因といわざるを得ません。ライドシェアによる渋滞の悪化はUberやLyftも認めています。

今後のライドシェア

街中を走るタクシー

ライドシェアの現在の仕組みを変え、車を減らす(Uberドライバーを減らす)方向にシフトしていっているようです。
今後ニューヨークがどのようになっていくかを参考にしながら、日本のライドシェア導入も考えた方がいいかもしれませんね。

ライドシェアの規制緩和は、今後も国の課題に持ち上がると思われます。
新しいサービスは人を豊かにしますが、その分弊害も出てきます。
上手に使える方法を自分たちで考えていきたいですね。